《視点》賃上げの条件

2025/03/06 06:23 更新


 早くもイオングループで満額回答が出るなど25年春闘は、23年、24年に続いて賃上げが進みそうな気配だ。物価上昇が続いているだけに、賃金上昇との好循環の実現に向けて欠かせない動きといえる。

 ただ3年連続の賃上げは「やれるところとやれないところが出るのではないか」と格差が懸念される。実際「やらなければと思うが、賃金はほかにも波及するので悩ましい」というのが偽らざるところだろう。このあと春闘の回答が本格化するが、今後の動向が注目される。

 値引き要請一辺倒だったときから、「時代は変わった」とサポート企業の社長。役割に見合う価格がクライアントに通るようになってきた。別の企業の社長は「予算が示されるようになり、その範囲なら何も言われなくなった」。かつては事前に予算が明確にされず、後から値引きの圧力があったという。そうしたあしき取引慣行の改善も進んでいるようだ。

 賃上げの広がりには労務費を含めた価格転嫁や取引慣行の改善が欠かせない。その進展が望まれる。

(光)



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