《視点》着る物が癒やしに

2025/01/08 06:23 更新


 「赤ちゃんが良い物を着せてもらっているとママはうれしいですよね」。先日、川崎市の産後ケアセンターを取材した際の、運営会社の社長の言葉が印象に残っている。赤ちゃんの館内着にオーガニックコットンにこだわったブランドのベビー肌着を採用しており、その理由にとても納得できた。

 産後ライフスタイルは、核家族化、高齢出産の場合は祖父母も高齢になり頼りづらい、などにより里帰りが難しくなったことや、育児の孤立化、虐待の社会問題化を背景に変化している。産後ケア施設は、産後1年以内の母子のサポートを目的に近年増えた。

 2児の母でもある冒頭の社長は「育児のスタートが幸せなものであってほしい」と事業を立ち上げた。手ぶらで利用でき、食事付き、24時間赤ちゃんを預かってくれる助産師が常駐する。1泊約6万円からと安価ではないが満室状態が続く。

 心身が疲労して余裕がないなか、着る物が癒やしになることもあるだろう。自分を含め、大切な人に良い物を着せてあげたいと思うのは、洋服選びの原点だと改めて気づかされた。

(衣)



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