《視点》 目利き・腕利き

2021/10/20 06:23 更新


 イメージコンサルタントが日本でも富裕層を中心に人気だ。この職種は顧客のパーソナルカラーやファッション骨格診断、メイクやヘアスタイルなどのアドバイスのみならず、顧客と同伴で街に出て、実際にファッション購買のアドバイスをするケースもある。

 例えば、イメージコンサルタントのM氏は女性顧客を対象に、東京・銀座かいわいで、ラグジュアリーブランドの購買を指南する。目利きの彼女のセンスを支持するファンは多く、顧客の年齢層も30代からシニア層までと幅広い。同伴購買のコンサル料金は1回十数万円と安くはないが、予約枠はすぐに埋まる。

 近年のM氏の悩みは「顧客に自信を持ってお薦めできる、上品で質の良い服が少ない」こと。そこで彼女は今春、自らDtoC(メーカー直販)ブランドを立ち上げた。

 服飾技術に関しては素人のM氏は、腕利きのベテランモデリストを有する国内工場と協業して自らのイメージを製品として具現化。SNSを通じて販売すると、M氏のフォロワーらがこぞって先行予約し、即完売。受注後生産するために在庫は常にゼロだ。

 ロスや無駄を削減して利益率向上を目指すサステイナブル(持続可能)な時代に向けて、目利きと腕利きの力量がますます問われる。

(民)



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