《視点》コロナ下の採用

2021/07/16 06:23 更新


 東京都で7月12日、4度目の緊急事態宣言が発出された。今回は百貨店など大型商業施設への休業要請はなく、午後8時までの時短営業の要請となった。飲食業より先に小売業では少しずつ営業規制が緩和されつつあるようだ。家の近くのスーパー2店も、1回目の発出の時は営業時間を短縮していたが、A店の食品売り場は2回目から、B店も3回目から時短は行わなくなった。今回はA店の衣料品売り場も通常の営業時間に戻った。

 先月、繊研新聞社が行ったファッション業界への景況アンケートによると、来春の新卒採用は、20年春の採用実績より減らしたり凍結する企業が6割近く。コロナ下での休業や時短営業の影響は大きく、採用を抑えて組織再編で窮状をしのぐ会社も多い。

 気になるのが、知り合いの中堅やベテラン社員が辞めた取材先の増加。会社の都合か本人の希望か定かでないが、1カ月半で3人が退社。皆さん頼りになる優秀な女性だったので驚いた。アンケートの送付先で担当者が退社している事例も多く、身近な所にコロナ不況が迫っていると実感する。

 半面で見方を変えれば新卒、中途とも優秀な人材を採用できる好機。足元の戦力と新たな人材を活用し、多くの企業に苦境をはねのけてほしいものだ。

(陽)



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