将棋の高校生棋士、藤井聡太八段は「棋聖」と「王位」を獲得し、最年少二冠と最年少八段昇格を果たした。藤井聡太の強さの秘密は何か。彼と親しい棋士によると、得意の戦法や経験則に頼らず、より良いものに昇華するよう、手間を惜しまず努力している点だと指摘する。
人は誰でも癖があり、経験則にも頼りがちだ。あるやり方で成功した体験があれば、その次もまた、まずは同じ手法でできないかと考えるのは自然なこと。もちろん、それで効率化できたり、すぐにコトが運んだりするなら、「勝ちパターン」に頼るのも悪くない。
しかし、今のようにイレギュラーな事態が頻発し、日々刻々と状況が変化する中では、過去の成功体験はときに正しい判断を阻害する可能性がある。むしろ臨機応変さや新しいことに挑戦したほうが「指し手」として正解の場合もあるのではないか。
天才と同じことはできないが、まずは日々の仕事の悪癖や惰性を見つけ、改善する作業から始めてみるのもいいかもしれない。
(潤)