開催か、延期か、中止か――新型コロナウィルスの感染拡大で揺れに揺れた東京五輪。ようやく「1年延期のほぼ同日程」に決まった。過去に五輪が延期された前例はなく、史上初の延期五輪となりそうだ。
東京五輪は、予想以上の盛り上がりとなった昨年のラグビーワールドカップに続く、3年間に3国際大会がある「ゴールデンスポーツイヤーズ」の中核として、スポーツ市場の活性化に期待されていた。開催延期は1年間さらに期待感が続く効果もありそうだ。しかし、来年5月の「中高年の参加型五輪」と呼ばれるワールドマスターズゲームズ関西とは選考日程などが重なる部分が出てきそう。
それにしても、今回の開催延期決定で残念だったのは、もう少し気候の良い時期に変更できなかったのかという点。IOC(国際オリンピック委員会)の収益は大半が米国テレビ局などの放映権料で占められるといわれる。そのため、米国でのスポーツイベントを優先して、同日程になったのだろうが、本当に選手や観客、支援者のことを考えるならば、延期は日程再調整のチャンスだったのに。
(茂)