新型コロナウイルス感染の影響が市場や経済、生活の隅々にまで広がっている。企業や人々が罹患(りかん)に対して戦々恐々とするなかで、これを変革の機会として捉える見方がある。
「大幅な生産抑制を全社横断で行う」とは、ある総合アパレルメーカーのトップ。市場が萎縮し、生産ラインの稼働状況が明確に見通せないなかで、「これまで過剰生産と言われるアパレルの体質改善につながれば良い」という。平時において採り難い策も、非常事態だからこそ実践が可能となる。「市場の正常化がいつになるかいまだ分からないが、その時々で変化対応すればいい」としたたかだ。
この数カ月の間に、私たちの働き方も変わった。時差通勤やリモートワーク、時短就業など、各社で懸案となっていた施策が短期間に相次いで打ち出され、一気に広がった。
この新型肺炎に社会全体が揺さぶれた後に見える景色は、その前とは変わったものになっているだろう。
(民)