《視点》服と星の関係

2020/02/07 06:23 更新


 「ちょっとスピリチュアルな話なのですが」。毎月定点取材しているあるレディスショップの店長がこう切り出した。「アウターを買われるお客様の多くが『断捨離しなきゃと、勢いで服を捨ててしまって、気づいたら着るアウターがないのであわてて買いに来た』と言うんです」と話す。「今年はグレートコンジャクションが起きるっていうから、その影響もあったりして」という。

 グレートコンジャクションとは、占星術で20年に一度、木星と土星が重なる状態を言う。今年は冥王星も加わるとされ、諸説あるが約250年に一度のまれなことのようだ。星が動けば時代や社会、人に変化をもたらすとされている。

 確証のない話だが興味深い。服は着る人のアイデンティティーだと思う。あるいは、その人の意思につながっているもの。自分の中に何か変化が芽生えた時、不思議と新しい服をまといたくなる。着慣れた服ほど手放すのは寂しいが、それ以上に新しい出会いに心が躍る。日頃の取材で消費者が服を慎重に買う傾向が年々強まっていると聞く。「服を買うって楽しい」。そんなムードがこの変化の年に高まるといいなと思う。

(麻)



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