《視点》変われるか

2020/02/04 06:24 更新


 重衣料商戦は振るわなかった。年末年始から既に値下げが始まっている。近年は特にこの苦しいサイクルからなかなか抜け出せない。あるインポーターによると、人気の高額ダウンブランドもこの冬は売れ残っているそうで、「バイヤーの来秋冬の予算枠が削られている」と嘆く。

 一方で、SDGs(持続可能な開発目標)の旗印の下、経営者レベルでは自然環境の保全に対する意識が高まり、供給過剰だと批判にさらされてきたアパレル業界がいよいよ重い腰を上げ、変わろうとしているようだ。ようやく秋冬のMDが見直されようとしている中、生産・供給量の適正化も進むことを期待したいところ。

 本当に変わるかどうかは、経営者の覚悟次第だろうか。現場は売り上げを作りたいし、販売機会ロスを減らしたい。多くの経営者の本音もそうだろうし、できれば収益を高めつつ、自社の社会的な価値も上げたいはず。しかし、これまでのやり方では両立は難しいのが現状。思い切った見直しの決断が望ましい。企画も生産量も、そのスケジュールも。売り上げの減少も見込まれる。現場の評価基準も見直す必要がありそうだ。

(嗣)



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