昨年以降、世界的に自動車販売が減速している。国内合繊メーカーの多くはエンプラ樹脂などのほか、エアバッグ、カーシート、ベルト補強材といった自動車向け繊維資材を手掛けており、今年上期(4~9月)の決算でもマイナス影響が顕著だった。
そのなかで世界トップ3のトヨタ自動車は、上期の決算が増収増益で純利益も過去最高と好調が際立っている。アイシン精機、デンソーといったグループの部品メーカーが軒並み業績が悪化しているため単純には測れないものの、厳しい環境下で販売台数を増やしたことは確かだ。
同社の物作りはトヨタ生産方式として他業種からも注目されるが、ノウハウを隠したりせず、社外関係者に工場を見せることもいとわないそうだ。現場を見た人は一所懸命メモをとり、自社に取り入れようとするが、同じような成功モデルを作るのは簡単ではない。
誰でも容易にまねが出来るようなものは、本当の強さや競争力とは言えないのだろう。それを作り出すことこそが企業の生き残る道であり、経営者に求められることだ。
(恵)