縫製地の東南アジアへのシフトや米中貿易摩擦の影響で、アパレルパーツ企業のアジアでの需給状況が変化しつつある。「25%関税を避けて、米国向けを中心にベトナムから出荷する動きが加速」し、中国法人が「昨年後半から苦戦」という企業もある。
その反面、ベトナム法人が好調だとする企業は多く、資材需要の受け皿の移行が鮮明になってきた。好調要因の一つには、ベトナムをハブとしてタイやミャンマー、カンボジアへのデリバリーが増えたことも挙げられる。中国だけでなくベトナムも人件費が高騰しており、低コスト志向の供給拠点はさらに広がりそうだ。
しかし、高品質の追求や原材料調達、小ロット短納期の面では、中国法人にまだ優位性があるとも見られている。日本からの移管や東南アジアからの出戻り需要のほか、現地アパレルのレベル向上に伴う内販需要の拡大が業績底上げにつながっている。
中国国内の人材不足や環境規制の強化、貿易摩擦の行方など「先行き不透明な部分が多い」とされるが、優位性を生かして東南アジアの拠点とのすみ分けが一段と進みそうだ。
(阿)