《視点》出張サービス

2018/07/17 06:23 更新


 競合の激しい眼鏡チェーン専門店業界で、メガネスーパーは既存店の月次売り上げが16年2月から29カ月連続で増収と好調だ。製造小売り型の低価格チェーンに押され、08年4月期から8期連続の営業赤字に苦しんでいたが、経営陣が変わって、直近では3期連続で増収、営業黒字を確保している。

 1970年代に創業し、個人経営の小型店が主流のなか、大量仕入れ・値下げ販売による眼鏡の大型店を多店舗展開し、成功した同社。経営悪化後は店舗数を最盛期の6割弱、従業員も半分以下に削減した上で、〝脱価格競争〟への路線転換により業績回復を果たした。

 新路線では眼の健康寿命を延ばす〝アイケア企業〟を目指し、25~40項目の視力検査、眼鏡のフィッティング、目のマッサージ、眼鏡と補聴器の全国出張訪問販売などサービスを充実。特に出張訪問は他社がやめる方向のなか、介護施設や病院など法人、個人向けに強化中。「必要としてくれる客がいたら、客が来ていない店を開けて待つより臨時休業し、客のいるところに行って店と同じ接客をし、売ってくる」。その姿勢が日々の売り上げと、長く続く顧客作り、現在の復調に結実しているのだと納得した。

(陽)



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