今年に入って、日本のファッション企業がライブコマースを取り入れる動きが増えてきた。
パルコはライブコマースアプリの「ライブショップ」を運営するキャンディ(東京)と協業。人気インフルエンサーが福岡パルコのショップを巡りながら、商品紹介のライブ動画を配信した。実店舗の魅力を紹介するとともに、EC「カエルパルコ」での購買につなげた。
またセブン&アイ・ホールディングスもキャンディと組んだ。日本テレビが放送している通販番組で、「ライブショップ」のリアルタイムで視聴者と出演者がやりとりできる機能や、アプリ内で商品を購入できる仕組みと掛け合わせ、EC「オムニセブン」で販売している商品を紹介したという。
ライブコマースの魅力は出演者やインフルエンサーに視聴者が質問したり、リアクションしたりと直接コミュニケーションが取れること。信頼関係の高さが売り上げに比例し、「企業に売らされている場合は一発で見破られる」(キャンディ)ため、やれば売れるというわけではない。
今後も参入する企業が増えるだろうが、売り上げに結び付けるには広告色を消し、出演者に自由に本音で語らせる勇気と決断がカギになりそうだ。(藤)