ファーストリテイリングは6日、「ユニクロ」のベトナム1号店をホーチミンにオープンした。イオンモールは5日、ベトナムで5施設目となる「イオンモールハドン」を開業した。それぞれベトナムの経済成長、人口増による市場拡大を取り込もうというもの。近い将来を見据えてユニクロは多店化を急ぐ構えで、イオンモールはすでに最重点国に位置づけ、開発を加速する。
(田村光龍)
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ベトナムの人口は18年で9500万人。平均年齢は30歳とされ、近く1億人を超えることが確実視されている。経済成長率は7%に達する。さらに物価上昇率を上回る形で賃金が伸びており、購買力を持った中間層が成長しつつあるという。
「ベトナムは約束された地。必ず大発展する」(柳井正ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)として、東南アジアの中でも小売市場の成長がとりわけ期待される。さらに「郊外型SCとしては競合がほとんどない」(吉田昭夫イオンモール社長)とするように、今なら競合のないなかで店舗網を築ける条件もある。
ベトナムの消費拡大の状況は、食から生活雑貨まではきたが、アパレルはこれからという指摘がある。しかし経済や市場の拡大に合わせた成長のため、両社はここで進出、拡大加速の判断をした形だ。