リユースのベクトル、渋谷にセレクト型の新業態 大人客とインバウンドに照準

2024/04/16 06:27 更新


シックな外装にはリユースを思わせる文言は極力排した

 ファッションリユースの買い取り・販売のベクトル(東京、村川智博社長)は4月19日、東京・渋谷にリユースのセレクトショップ「ザ・センス」渋谷神南店をオープンする。保有する約100万点からハイエンド商品を厳選、渋谷に増える大人やインバウンド客の需要に応える。同社は43店のほとんどが買い取り機能で、販売は9割がネット。新店は逆に販売が中心の新業態となる。

 渋谷神南店は路面で売り場面積は78平方メートル。「シャネル」「エルメス」「グッチ」「ナイキ」などハイファッションからストリートブランドまで、渋谷に合った商品を揃える。ザ・センスは明大前店に次ぐ2店目。店の一角をイベントスペースとし、毎月1ブランドにフォーカスした企画を催す。4月は「メゾン・マルジェラ」で200点ほど集積する。

 主な対象客は大人とインバウンド。リユース購入未経験も入りやすいように新品の店舗のような見え方にし、接客にも力を入れる。昨年、ラグジュアリーブランドなどでキャリアを積んだ向井透氏をクリエイティブ・ディレクターに迎え、ブランディングにつながる接客・販売サービス環境を整えた。多言語対応できる販売スタッフも揃え、同社初の免税サービスも導入。売り上げの半分はインバウンドを見込んでいる。

■村川社長の話

 100万点の中には安いものから高いものまであるが、ECだとファストファッションは送料負けし、ラグジュアリーは売りにくい。この店は後者をきちんとした接客で売る。安い商品を集めた店も、別の屋号で地方のSCなどに出していく。近隣地域のインバウンド客にはリピーターになってもらいたい。彼らの探し物を代行することも考えている。

渋谷に合った品揃えで勝負する


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