カメラ映像をAI(人工知能)で解析して、盗難などの要注意行動を検知する施設・店舗見守りサービス「バークアイ」を提供するVAAK(バーク、東京、田中遼代表取締役)は、複数の大手小売店や商業施設で実証実験を行い、万引きや防犯防止とそれにかかる経済効果が高いことがわかった。
今後、バークアイを本格的に全国の小売店や商業施設などに事業を広げる。3年間でコンビニやアパレル、ドラッグストア、商業施設などの10万店に導入を計画。海外では米国やシンガポール、アラブ首長国連邦などの政府機関や警察とシステム導入に向けた協議が進行中だ。
同社はソフトバンクグループのベンチャーキャピタル「ディープコア」の出資、東京大学松尾研究室の協力などを得たベンチャーとして17年にスタート。「万引き防止や防犯ソリューションがなかったことを背景に、AIの目で社会的な課題を解決し高い抑止力効果と経済効果」(田中代表)を目的にしたインテリジェント・セキュリティーシステムの「バークアイ」を実証実験の下に、19年3月から本格的に販売している。
バークアイは店舗での不審行動や万引き行動などを自動的に検知して知らせる仕組みで、人間の詳細行動の検知を可能にする技術を強みにしている。カメラに10個以上のAIを搭載し、店舗での不振行動や万引き防止行動を自動的に検知、解析し知らせる。
実際に、検知した映像を下に万引き犯の逮捕にもつながっている。人間の歩幅や関節の動きなど100以上のポイントを分析することで、明らかな不審行動だけでなく複雑な行動についても検知でき、ブラックリストやカメラ間人物追跡、不審行動、万引き行動などを可視化できる。
18年3月にベータ版の提供を開始して複数の大手ディベロッパーの商業施設やコンビニチェーンで実証実験を行い、防犯意識の高まりで万引きが減り、導入前に比べて77%以上の店舗ロスの削減とこれまで防犯カメラ確認にかけてきた時間を96%以上を削減する結果が出た。
万引き行動の可視化によって店舗の防犯意識が向上し、様々な面から生まれる抑止効果で「万引きできない店舗」の実現を目指している。