バニッシュスタンダードのスタイリング投稿アプリ「スタッフスタート」を導入する企業が増えている。ブランド数は2600、23年8月期の同アプリ経由売上高は1748億円となった。デジタルとリアル双方の接客力を評価する大会「スタッフオブザイヤー」では、グランプリにメディア出演の権利を与えるなど、販売員のモチベーションを後押ししている。
(相神優波)
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スタッフスタートは、販売員が撮ったスタイリング写真に商品説明文を書き、自社ECサイトやSNSに投稿するサービスだ。客が投稿経由で商品を購入すると、投稿した販売員の個人の売り上げが分かるようになっている。投稿数や閲覧数の多さを評価の対象にする企業もあり、販売員のやりがいにつながっている。
現在、アカウント数は23万3000件を超える。アパレル企業だけでなく、家電量販店や飲食店など、活用する業種・業界の幅もひろがっている。
高額の売り上げを出す事例が増えている。23年8月期には、月間売上高が2億6000万円に上るアパレル販売員も出た。家電分野では投稿経由で、ある商品が1億円近い売り上げになった販売員もいた。
年に1回開催するスタッフオブザイヤーでは、上位入賞者にテレビ、雑誌などに出演できる権利が与えられる。メディア露出の効果で業界での認知度も上がり、大会の参加者が増えている。「ロープレの技術だけでなく、ファンからの投票や自己PR力も評価している。令和のカリスマ店員を育てたい」と、小野里寧晃社長は話す。
23年の大会は約8万人のアパレル販売員が参加した。会場に設けた初の一般観覧席のチケットは即完売した。同時にユーチューブでもライブ配信を行った。小野里社長は「大会を通じて、販売員に憧れる次世代を育てたい」という。今後は「学生や業界関係者以外にも大会を見てほしい」と考えている。