新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、外出自粛が長期化するなか、厳しい商況が続いている。夏の旅行も控え、少し着飾って出掛けるシーンもないため、購買意欲が低下している。地元客が比較的多い商業施設の店などは、日用品の買い物のついでに来店して「せっかく来たから」と購入する傾向もみられる。店頭では晩夏物やプレフォールが少しずつ入荷し始めているため、鮮度を出していくのと同時に、プロパー販売に力を入れ、客単価を底上げしたい考えだ。
ドゥーズィエムクラスルミネ有楽町店
7月は「アメリカーナ」のセットアップや定番のカーディガンの発売に合わせて店舗が盛り上がった。コーディネートのアクセントになるアクセサリーの提案も強化した。8月は「キャラクス」と協業したTシャツを1日から販売し、すぐに品切れするものもあった。中旬からは、今から着られるようなプレ秋冬物が立ち上がる。下旬にかけて、ベーシックで人気のあるアイテムの新色も入荷し、小物はバレエシューズやクラッチバッグなどを提案していく。
アダム・エ・ロペアトレ恵比寿店
秋の気分も取り込んだ「即着」できるプロパーのアイテムを推す。今月は話題性のある品揃えを充実する。なかでも注目は、スペイン発のアクセサリーブランド「レヴェンス」が出したTシャツ中心のカプセルコレクションだ。インスタグラムに投稿された画像を使ったグラフィックがポイント。「バイオレットルーム」の別注ではレースを部分的に使ったドレッシーなオールインワンなど、カジュアルからきれいめまで着回しできる服を販売している。
ローズバッド新宿店
セール商品は順調に消化しており、いかにアイテムを充実させて見せるかが今月の課題になる。新作の盛夏物も順次入荷し、秋口まで長く着られる利点などを接客で伝えながら、購買につなげて客単価を上げることも鍵になる。自社の新ブランドのほか、「ジーンヘブンズ」や「クレオルム」の新作もイチ押しだ。
アーバンリサーチ・ロッソグランフロント大阪店
夏物の投入が少なく新鮮味が出しにくかったが、5日から晩夏物が10SKU(在庫最小管理単位)ほど入荷するため、少しずつ店頭の雰囲気を変えていく。セール商品が多いが、お盆明けにはプロパー販売の強化に切り替える。何かのついでに来店する人が多く、購買意欲も低いが、ニーズを聞き取るなどで購買につなげていく。来店が例年に比べて少なくスタッフも疲弊するため、意識的に声を掛けたり他店のリサーチに行ってもらうなどで気分転換してもらうことを心掛ける。
7月の結果
客足が伸びず苦戦した。セット率は高かったものの、セール商品が多く一点単価が下がっているため、客単価も落ち込んで売り上げに影響した店が多い。「以前はセールではなくても気に入ったら買う意欲があったが、セールでなければ購入の選択肢から外すといった意識が強まっている」と指摘する店もあり、シビアになっている。アイテムはトップが良く、Tシャツやブラウスが動いたほか、オンオフで着回せるきれいめのドレスなども反応があった。