《人手不足を乗り越える①》繊維製造業が生き残るために

2023/11/10 07:58 更新会員限定


外国人採用を進めるアイエスジェイエンタープライズで働くベトナム人のグエンティトウさん(左、右は井川貴裕社長)

 ダイバーシティー(多様性)経営が、繊維製造業や関連企業に広がっている。背景にあるのは深刻な人手不足と、それによるサプライチェーンの弱体化だ。人材の流動化が進み業界の労働者は減少し、染色や縫製のキャパシティー不足が発生、撚糸業や機屋の廃業が相次ぐ。繊維製造業は多様な価値観を持つ人材が能力を最大限発揮できる環境を整え、新たなイノベーションを生み出そうとしている。

脱・日本的雇用

 特に中堅・小規模事業者にとっては厳しい状況が続く。原燃料や物流費の高騰が続く一方、コスト上昇分の価格転嫁はうまく進まない。不透明な市況にサプライチェーンの多くの段階でリスク回避として在庫を持たない意識が強まる。そのしわ寄せは多品種少量生産という形で産地にのしかかり、生産効率の低下を招く。「先行きが不安だ」とある産地企業の経営者は話す。

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