上野樹里さん手掛ける「トゥイカウリ」が今秋デビュー 人と地球にやさしい物作り

2023/05/19 11:00 更新


 俳優の上野樹里さんが手掛けるブランド「トゥイカウリ」が23年秋にデビューする。アパレルの製造、卸販売のアルディム(東京、安藤大春社長)が販売し、天然素材や資源の循環を意識した人と地球に優しい物作りにこだわる。ブランドを通じて、日本の産地活性化やファンとの共創にも取り組んでいく。

(松本寧音)

 もともとはトゥイカウリの名で、19年からアロマキャンドルやバスソルトを販売していた。今回、アルディムの協力を得てファッションブランドとして再スタートする。MDは安藤社長が担う。

 新生トゥイカウリでは、上野さんの「衣装の下に着て心地良い天然素材のインナーを作りたい」との思いから、インナーなどをメインに扱う。デビューコレクションは12型。服にラインが響きにくく、肌当たりの優しいフラットな縫製のウォッシャブルシルク100%のカップ付きキャミソール(税込み2万3100円)をはじめ、肉厚なフレンチリネンのルームウェア、スビンコットンのTシャツなどを揃えた。

フレンチリネンのルームウェア。「家の中で楽しく」との思いを込めた、鮮やかな色がポイント
ウォッシャブルシルク100%のロングTシャツとショーツ

 すべてラズベリーから抽出した染料によるボタニカルダイと天然素材を掛け合わせて企画した。「着ている人が心地良く、楽しく。側にいる人にもそれが伝わるように」と、鮮やかなピンクとブルー、チャコール、キャメルでコレクションを統一。ラズベリーは上野さんの夫、和田唱さんのロックバンド「トライセラトップス」のデビューシングルのタイトルでもある。実はこのジャケットのデザインを担当したのが、当時大学生の安藤社長だった。

ラズベリーから抽出したボタニカルダイで全ての色を表現したデビューコレクション

 新作の発表は年2回で、オールシーズン着用できるアイテムを提案する。公式ECと卸販売でスタートし、東名阪と福岡の百貨店で上野さん本人が店頭に立って接客する期間限定店も計画している。オンラインでコミュニティースペースを設け、ファンとコミュニケーションをとりながら服作りをする企画も考案中だ。

 通常商品とは別で、残布を活用した特別なコレクションもある。今回は尾州のツイードを主役に、ビュスティエをドッキングしたシャツとスカートのセットアップを作った。舞台衣装として着用予定で、販売や貸し出しについてはまだ方法を模索中。「日本の素晴らしい技術を多くの人に目に触れてもらいたい」とし、活用することで産地活性化を目指す。

展示会では上野さんが残布を活用したコレクションをまとって登場。ブランドについて説明した

 日本の産地との取り組みは今後も継続し、上野さんの地元で日本毛織の第一工場がある兵庫県加古川市などに注目している。また、「天然素材を使ったパッドや、工場で実際に触れてその柔らかさに感動したメリノウールのアンダーウェアも作ってみたい」(上野さん)という。

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