23~24年秋冬コレクションは引き続き、女性の体を主役とするスタイル「ボディープライズ」が主力トレンドとなった。女性特有の体のラインを強調し、胸元や足を露出するデザインは、センシュアルでありヘルシーでもある。単純にセクシーに見せるのではなく、女性の曲線美を女性自身が賛美する思想が背景にある。多くのブランドが手掛けている。
(青木規子)
欧米では近年、女性の体を解放しようという動きが盛んだ。ノーブラ改革とも言われる「フリー・ザ・ニップル」(乳首を解放しよう)というムーブメントは若者を中心に広がったもので、ブラジャーをせずにドレスやTシャツを着ようという動き。多くのセレブが「自身の体に恥を感じる必要があるのか」と発言するなど、フェミニズム運動のひとつとして広がっている。
ボディープライズにはそういった考え方が影響している。セクシュアリティーの強調というより、女性自身が女性の体を敬い、その美しさを見せていこうという思いがベースにある。80年代のボディーコンシャスに似たフォルムでありながら、異性の視線を意識したセクシーなスタイルとは着想源が違う。まさに主役は女性の体だ。