今春デビューした「トモキマルオカ」は、若手のシューズデザイナー、丸岡知樹が手掛ける日本製のユニセックスのシューズだ。技術力に定評のある国内メーカーで靴作りの経験を積んで独立した。
魅力は、フォルムの美しさを突き詰めた中で、色やディテールの変化でエレガンスをさりげなく表現するセンスだ。20~21年秋冬は、しとやかさを感じさせるショートブーツが目を引いた。自分で木型を削り出したラウンドトウのブーツ(5万円)は、ゴールドとシルバーのクラッシュベロアを表地に使っている。「企画をしているとき、イチョウが紅葉していて、まさにその色だった。靴にしたらどんなに美しいだろうと即決した」と丸岡。スマートなフォルムと柔らかな光沢が調和し、フェミニンでクリーンな印象が新鮮だ。
ポインテッドトウのレースアップブーツ(6万円)は、金具のハトメを使わずに、革をくり抜いて凹凸の加工を施したハトメを使っている。立体の曲線を立たせて光沢の強さをそぎ落とし、エレガンスを普段使いに引き寄せた。