トウキョウベースの香港店が好調 強まる出店要請

2018/06/19 06:29 更新


 セレクトショップを運営するトウキョウベース(東京)の香港店が好調だ。17年春にコーズウェイベイ路面に出店した「ステュディオス」(ST)はメンズだけで年間売上高が2億円弱。その近くに同年11月に出した「ユナイテッドトウキョウ」(UT)も月商2000万円ペースと上昇し、年間2億円超えの勢い。香港や中国の商業施設からの出店要請も強まり、海外出店が想定以上に加速しそうだ。

【関連記事】トウキョウベース 秋に新業態「パブリックトウキョウ」

 成功要因は、日本のデザイナーブランドを扱うセレクトショップという立ち位置と、自社の日本人スタッフを派遣した直営運営による接客重視を貫いていること。香港には日本ブランドを扱う有力セレクトショップがあるものの、STにはオリジナル商品はなく、純粋な仕入れ店として香港の感度の高い客に支持されている。売り場面積92平方メートルと路面店で月坪売り上げ約60万円と高いのも特徴。

 一方、UTは売り場面積約149平方メートルのレディス・メンズ複合で、売り上げ目標は1億5000万円だったが、国内生産の質を重視したモードテイストで、30~40代を引きつけ、目標を大きく上回るペースになった。

 2カ月に1回、谷正人社長自身が香港に足を運び、現地で客の嗜好(しこう)や接客への満足度も体感している。現地スタッフ採用では、給料が高いことも話題となり、優秀な販売員が採用できているのも大きいという。

 「全く仮定の話だが、春に海外へ5店出店もできる状況」(谷社長)。知名度がまだ高くない中、香港で2業態が好調なため、30~40代でファッション感度の高い層の集客を狙う商業施設からの出店要望が増えている。UTの香港2号店、STのレディス店の出店は早期に決まる模様で、今後は中国の大都市の商業施設出店も視野に、海外事業の成長を速める。

メンズだけの扱いながら、日本デザイナーブランドと接客力が支持されている「ステュディオス」香港店


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事