淡路島に新工場建設の意味(古川富雄)

2014/04/14 12:13 更新



神戸・長田に、オリエンタル製靴という婦人靴メーカーがあります。先日、同社は兵庫県・淡路島に国内靴工場としては規模の大きい工場を新設すると発表しました。6000平方メートルの土地に、来年8月第1期分が完成、稼動する計画です。

最新鋭の設備を取り入れ、将来は100人規模、生産数量は年間で50万足~100万足というから、相当なスケールとなります。ちなみに、神戸の靴メーカーが集まる日本ケミカルシューズ工業組合によると、昨年の生産出荷実績は89社で、約1500万足となっています。 

この工場の持つ意味合いは3つほどあります。

ひとつは長く続いた生産の海外移転にストップをかけ、国産による品質、納期を強みにしようということ。アパレルと同じように靴の生産も、価格を抑えるため中国、最近は東南アジアへと広がってきました。しかし、中国は人件費や原材料が上がり、職人の安定確保が困難という問題に直面しています。東南アジアは生産のリードタイムが長く、品質管理が難しいといわれます。

2つ目は、長田方式の弱点の克服です。長田にはたくさんの靴の工場、加工場があります。長年、分業を特徴としており、すべての工程を自社で完結するところはほとんどありません。大きな工場でも、縫製は外注するのが普通です。ところが、特に縫製中心に内職、職人が減り、ブーツなど地元では作りにくいアイテムも出てきました。オリエンタル製靴の新工場は機械化を前提に、自己完結型を目指すといいます。

3つ目は、高齢化が進み、雇用環境の厳しい地方に雇用機会を提供するという点です。新工場は全て地元採用とします。若い人だけでなく、定年を迎えた人など高齢者を積極的に採用したいとのことです。

投資規模は6年間で6億円近くを想定しています。いろいろな狙いをもって立ち上がろうとしているプロジェクトを、注視していこうと思います。



古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介



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