国産ニットのテトラファースト 事業譲渡を検討

2023/12/05 06:26 更新


徐々にOEM受注を増やしてきたスクールセーター

 日本製ニットウェアメーカーのテトラファースト(大阪府豊中市)が、同社の事業譲渡を検討している。譲渡を検討しているのは、同社の生産機能だ。香川県観音寺市にある編み立て・縫製工場(賃貸)と、従業員が対象となる。

 同社は三明修身社長を先頭に、専門的な技術、知見による優れた意匠表現と、高品質のニットウェア作りが強み。とりわけ緻密(ちみつ)な計算に基づいて編み立てる成型物を得意とする。

 コロナ下でも、ファッション以外にスクールセーターのOEM(相手先ブランドによる生産)で需要の開拓に努めてきた。スクールセーターは長袖のプルオーバーとカーディガン、ベストを生産し、現在はファッション衣料の生産枚数を上回った。

 今夏には安定供給のために、成型編み機を2台増設。将来も見据えた事業基盤を整えてきた。一方で三明社長は数年前から、経営を退く意向を持ち続けており、事業の譲渡相手を探し始めていた。

 香川県の自社工場には島精機製作所のデザインシステムを備えるとともに成型編み機を9台、そのほかリンキングミシンなど各工程で使用する設備を持ち、企画から製品まで一貫生産できる。スクールセーターについては裁断、縫製の工程を一部、協力工場に委託している。生産能力はファッション用途が月産(20日計算)600~800枚、スクールセーターは2000~2500枚。従業員はパートタイマーが10人いる。



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