帝人フロンティアは1日、合繊織物製造の第一合繊(新潟県見附市、近藤慶一社長)を連結子会社化すると発表した。主力銀行の北越銀行と連名で地域経済活性化支援機構に申請した再生支援が9月末に決定し、その一環で株式を取得する。
機構の発表資料によると、第一合繊は「見附産地が得意とする中肉・厚地や複合織物を得意とし、地域にとって有用な経営資源を持つ」とし、支援の意義があるとしている。
同社の経営状況は、90年代後半以降に徐々に財務体質が悪化し、04年の豪雨や新潟中越地震の被害、01年に帝人と合弁で設立した中国法人の不振などで悪化に拍車がかかった。直近(17年9月期)の業績は売上高12億円、経常利益500万円、純利益200万円。総資産は15億3800万円で、「収益力に対して過大な負債を抱えている」。
第一合繊は発行済み株式のすべてを11月30日に無償で取得し、資本金と資本準備金全額を減少する。帝人フロンティアの保有株式も無償で同社に譲渡したうえで、帝人フロンティアが持つ劣後債権の一部を現物出資することで第一合繊の株式を取得して子会社化する。帝人フロンティアは代表取締役を含む役員を派遣する予定。