帝人フロンティアは撥水(はっすい)速乾「カラット」の進化版として複合快適機能素材「カラットⅩ」を開発し、12月2、3日に東京で開いた27年春夏スポーツウェア素材展示会で初披露した。近年、国内外で急速に高まっているという汗染み低減のニーズに応える。27年春夏向けから販売を始め、27年度に15万メートル、29年度に40万メートルの販売を目指す。
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さらりとした肌触りに、快適性を追求する様々な機能を加えた。ポイントは糸。肌側にポリエステル撥水糸を使った吸汗速乾素材「トリプルドライカラット」を用いてドライタッチにしつつ、表面に特殊な芯鞘(さや)型の高濃度フルダル(FD)コンジュゲート原糸を配置、遮熱性やUV(紫外線)カット性、防透性を付与した。
高濃度FD原糸によって汗で生地がぬれた部分と乾いている部分で可視光の反射率を小さくでき、汗染みを目立たなくする。特殊な仮撚り技術を取り入れ、風合いにも配慮した。
「国内外のスポーツシーンで汗が目立たない素材へのニーズが急拡大した」ため、開発した。国内外のアウトドア・スポーツ向け、ファッションやインナー用途にも訴求していく。
スポーツ・アウトドア向けテキスタイルの販売は順調で、26年3月期は増収増益を見込む。天然調機能素材「アスティ」や「ソロテックス」が好調。汗処理機能を持つ素材の引き合いが増えているなか、カラットシリーズにも期待する。
