田村駒は、バングラデシュでのアパレル生産を再構築し、収益が大きく改善した。以前はニット関連に加え、布帛アイテムも多かったが一部を除き現地で一貫生産できるニット、カットソー製品に絞り込み、サプライチェーンを安定させた。
現地で作る布帛は中国生地の活用が中心でコロナ禍による供給網の分断や「通関に時間が掛かり過ぎる」問題があり、安定した納期、供給が難しくなっていた。そのため現地一貫でできるカットソー製品とセーターなどニット関連に集中。前期のバングラデシュからの出荷は前年と比べて約1割減ったが、生産・供給が安定した。今期は前年並みペースで推移しており、今後は「来年春夏物のオーダー次第」だが通期でも前年並みを維持したい考え。
活用する協力工場は10社前後。ヤングカジュアル向けのカットソー製品を軸にセーター、一部布帛品もある。主力工場はカットソー製品、セーターともに編み、染めからの一貫工場。主力のセーター工場とは以前から協力関係にあり、年間で約200万枚を生産。昨年から取り組むカットソー工場も年200万枚規模の取り組みにしたい考えだ。新規工場の開拓も進めている。
19年10月にダッカ事務所を開設した。生産枚数の増加と品質管理の強化、徹底に伴い日本人駐在員2人を含め18人体制に増強している。今期は、本社との連動でヤングカジュアル中心に取引先をさらに広げることと、アイテムの拡大に力を入れる。これまでアパレル製品のみを手掛けてきたが、今後は生産アイテムを広げる方針。
寝装・寝具関連では、現在中国で生産するシーツやベッドカバーなどのサンプル生産を始めた。他にはトートバッグやベースボールキャップ、キッチン雑貨やバングラデシュの強さを生かしたジュートアイテムなども想定する。
