田村駒、初の「サスティナブル&機能素材展」 ジャンルレスで幅広い客に

2022/11/25 06:28 更新


新たに打ち出したウールの捨てミミを活用した「ウープ」など国内産地との取り組みが目立つ

 田村駒は、初となる「サスティナブル&機能素材展」を東京本社で開いた。「ファッション、スポーツなど幅広い顧客に環境に配慮した素材や取り組み、機能素材のバリエーションを見てもらいたい」と既存展とは異なり、ジャンルレス、シーズンレスで打ち出した。円安を背景に国内生地産地との取り組みが目立った。

 環境配慮型素材では5ブランドを訴求した。初めて見せたのがウールの生地ミミを活用した「WOOP」(ウープ)と旭化成と協業する「ペンナ・エコ」。いずれも〝捨てミミ〟と呼ばれる部分を反毛し、活用する。ウープは尾州で回収された衣料品や捨てられていたウールの生地ミミのうち、白のみを集めて反毛し、紡績する。リサイクルウール80%、ナイロン20%の糸を作り、尾州で生地化する。バッグやブランケット、アウター用などを想定する。

 ペンナ・エコは、キュプラ「ベンベルグ」の裏地を織る際に出る生地ミミを反毛し、新品のベンベルグ原料と混ぜた糸をタイで紡績している。「リサイクルキュプラは初めてと聞いている」と田村駒の担当者。糸や生地で販売し、「世界でも他にない商材」と海外での販売も視野に入れる。今後はリサイクルキュプラとメリノウールの複合など様々な生地を作る考え。

 中国のリサイクルコットンを使った「リライズコットン」は、従来の糸リスクから一歩踏み込み、生地リスクを始める。第1弾はカットソー製品向けで天じくなど2型、各5色作った。カラーリスクし、QRニーズに対応する。新疆綿を一部使っていることを明記し、「納得していただいた上で、風合いの良い、値頃なリサイクルコットン商材」として販売する。

 リサイクルポリエステル「C2C」は、リサイクルPBT(ポリブチレンテレフタレート)と複合し、生地バリエーションを増やす。ストレッチ性の高いタフタなどを作り、ゴルフのジャケット、パンツ向けを狙う。また現在はシャツ地、スポーツ向けが中心のため、ジョーゼットやサテンといった定番生地を作り、ファッションOEM(相手先ブランドによる生産)向けも広げる。

 スペイン産リサイクルコットン糸「FERRE YARNS(フェレールヤーンズ)」(旧リカバー)を活用し、様々な国内産地と連携する。岡山の帆布、西脇の先染め、今治のタオル、奈良の靴下など、国内産地と協働して生地と製品化を販売する取り組みを進める。

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