産地企業集めた合同展、技術で個性

2015/06/16 08:38 更新


 独自技術を持つ産地企業を集積した合同展、テキスタイル・ネットワーク・ジャパン16年春夏は、各社の独自技術や産地を背景にした個性的な素材が揃い、バイヤーの注目を集めた。主力分野で育んだ技術を他の販路に生かす動きも活発だった。

 双葉レース(福井)が訴求するのは、先染め糸で色を差したラッセルレース。糸の配置に通常の3倍以上の時間を要するなど、非常に手間がかかることから、外注先も敬遠しがちで、「自社工場だからできる素材」だ。黒、グレー、薄グレーのグラデーションや、何色もの糸を使ったカラフルなレースまで豊富に揃えた。 

 ストールのクレッシェンド・ヨネザワ(山形)は、麻の企画を拡充した。120番手前後の細番手糸を使い、透け感が高く、柔らかい。細番手で薄く織り上げた二重織りは、端だけを留め、生地の重なり方によって表情が変わる。最も注目を集めたのは、加工でクロス柄を描いたシルク・綿のストール。塩縮加工でクロス柄を描いた後、柔らかさを出す加工で柄を縁取り、1枚に様々な質感を共存させた。

先染め糸で柄を描くレースは糸の配置に通常の3倍の時間がかかる(双葉レース)
先染め糸で柄を描くレースは糸の配置に通常の3倍の時間がかかる(双葉レース)

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