鈴憲毛織、新会社として再スタート ブライトン・ジャパンが支援

2025/11/06 18:00 更新NEW!


 テキスタイルメーカーの鈴憲毛織(愛知県一宮市)は中小企業再生を手掛ける事業ファンドのブライトン・ジャパンの支援を受け、11月1日付で新会社を設立、再スタートを切った。

 鈴憲毛織は婦人服向けウール意匠素材を得意とする、尾州産地の老舗テキスタイルメーカー。海外からの製品輸入に押され国内テキスタイル市場の縮小の影響を受けたほか、温暖化による冬物衣料、とりわけウール意匠素材の不振などから売上高が減少した。コロナ禍による消費低迷も加わって資金繰りが悪化。今年1月に民事再生法の適用を東京地裁に申請し、再建の道を探っていた。

 ファンドによる事業再生は尾州産地でも初めて。旧鈴憲毛織は年内に精算する予定で、新会社はブライトン・ジャパンのグループ会社として建物・設備、商権、従業員などを引き継いで発足した。

 事業はハイエンドウール、ハイランドウール、ハイブリッドウール、ポリエステル・レーヨン混のウール調素材のカテゴライズで商品構成をくくり直し、特徴のあるテキスタイルの販売を重点とする。

 ブライトン・ジャパングループのアパレル関係会社との連携も強化する。生地から製品化まで一貫で行うファクトリーブランド「LOOM」を立ち上げる。こうした新たな政策を柱にして、再生の道筋を探る。



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