瀧定大阪の名前なくなる 来年2月にスタイレムに変更

2018/04/06 14:35 更新


瀧隆太氏(=右)と酒向正之氏の2トップ体制に移行し、経営を一本化する

 瀧定大阪の名前がなくなる。瀧定大阪グループは19年2月1日付で瀧定大阪を存続会社に、スタイレムを吸収・合併し、経営を一本化する。その上で社名を瀧定大阪からスタイレムに変更する。それに向け20日開催予定の定時株主総会後、瀧隆太瀧定大阪社長がスタイレムの代表取締役会長に就任、兼務し、スタイレムの酒向正之社長との2トップ体制に移行する。

 01年に瀧定が瀧定大阪と瀧定名古屋に分かれ、瀧定大阪が誕生した。13年にコーポレートブランド「スタイレム」を導入。15年には瀧定大阪をグループ本社とし、スタイレムを中心にしたサプライヤー事業と小売り企業などの消費ブランド事業に分けるグループ経営体制に移行した。

 しかし大きく伸ばそうとしていた小売り事業で赤字が続き、それに加え、17年1月期連結決算では為替デリバティブの解約損などで約250億円の税引き前損失を出していた。

 そのため「サプライヤー事業に集中し、足腰を強くする」(瀧隆太瀧定大阪社長)方針に転換、前期(18年1月期)にはミリオンカラッツ、スタニングルアー、シアタープロダクツ、オリーブ・デ・オリーブなどを売却し、現在はアクセサリー関連のライオンハートのみと、小売り事業からほぼ撤退した。

 小売り事業から撤退し、サプライヤー事業一本になったことでグループ経営体制を維持する意味合いが薄まり、「運営を一本化する方が、素早い判断ができるし、コストも削減できる」と判断した。

 新会社の社名を瀧定大阪ではなく、スタイレムとする理由について、「150年以上の歴史ある瀧定の名前を、大阪としては消してしまうことに大変悩んだ。コーポレートブランドとしてのスタイレムが国内外で浸透してきたことに加え、海外で瀧定名古屋と混同されることがある。海外現地法人の多くはスタイレムだし、海外展示会ではスタイレムで出している。今後さらに瀧定名古屋とともに大きく飛躍するには、こちらはスタイレムで行くことにした」という。

 「瀧定、瀧定大阪、スタイレムと名前は変わるが、あくまで延長線上にあり、積み重なった歴史や強みを大事にしてさらに成長する。瀧定スピリッツをしっかりと引き継いで行く」考え。収益性を高めることと、100億円規模に育ってきた海外でのテキスタイル販売をさらに伸ばす。



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