アクセサリーのスプリング CFでインドの女性を支援

2019/10/24 06:29 更新


 アクセサリー製造販売、スプリング(大阪市)はインドの女性たちの労働環境改善を目的に、24日から「キャンプファイヤー」でクラウドファンディング(CF)に取り組む。

(古川富雄)

 同社は14、15年前からインドの手仕事を生かした物作りを始めた。現在は現地に工場も開き、日本市場の品質基準に合うアクセサリーが作れるようになった。しかし、元々自給自足の村で、教育も受けられず、自立して社会に進出することもままならない状況を目の当たりにしてきた。こうした環境を少しでも改善しようと、CFを通じて新たなビジネスをすることにした。

■互いの文化尊重しつつ問題解決

 アクセサリーを作っているのはデリーから車で2時間ほどのインド北部の小さな村。立花佳代社長がインドに出向くようになったのは、同業他社が行っていないところなら、新しい物が作れるのではと考えたから。刺繍や編物に慣れ親しんだ女性たちはいたが、当初は日本で売れるような物はなかなか作れなかった。それでも、「互いの文化を尊重し、問題点を一つずつ解決して成長してきた経験は人生を豊かにし、世の中が良い方向に向かうと信じてやってきたから、少々の困難は乗り越えてきた」と立花社長は話す。

 12年から現地でパートナーと組み、工場の建設を始め、トイレを作ったり、制服を支給するなど、環境を整えてきた。今では約50人が働く工場となり、村では唯一の現金収入を得られる場となっている。

制服を着て作業する女性たちと立花社長(手前中央)

■現地の実情も知って欲しい

 ブランド名は「メイグローブ・バイ・トライバラクス」。繊細な手仕事の良さを生かした個性的なシルエットのレディスアクセサリーだ。CFの期間は1カ月で30万円を目標にする。資金を集めるとともに、現地の実情を知ってもらうことも目的。「今を生きる女性たち」を応援するシンボルとして虎、猿、象、水牛と4種類の動物キャラクターを制作し、バッグやステッカーにインドの女性が手掛ける刺繍などを加えて販売する。子供が描いた絵をビーズ刺繍にしたインテリア品(3万円)も中心商品とする。

 集まった資金は、外部講師を招き、女性たちの技術がさらに向上するために使う。受講の光景や女性たちの感想をホームページで紹介する。もちろん、30万円でできることは多くない。「彼女たちの人生の選択肢を広げるための小さなサポート」であり、第2、第3の取り組みをCFで続けることを考えている。

繊細な手仕事を生かしてアクセサリーを作る


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