デザイナー、シモーン・ロシャさんが考える女性像とは

2024/04/25 15:00 更新


シモーン・ロシャさん

 ロンドンを拠点とするデザイナー、シモーン・ロシャが精力的に活動している。3月末には台北にメンズとウィメンズの旗艦店をオープン。ジャンポール・ゴルチエとの協業によるオートクチュールも話題となった。24~25年秋冬コレクションは、歴史ある教会を舞台にロシャ特有の柔らかな女性像に荘厳なムードをまとわせた。その背景は。来日したデザイナーに聞いた。

(青木規子)

 ロンドンで発表した24~25年秋冬コレクションと、ゴルチエとのオートクチュールの製作は、同時進行だったのでそれぞれに影響が表れています。

 ゴルチエとの作品は挑戦的なデザインを目指したのに対し、シモーンはナイーブで大人っぽいムードを表現しました。全く違うイメージですが、それぞれの要素をツイストした女性像になったと思います。

 私はミックスが好きなんです。ナイーブな感じもプレイフルな気分も好きですし、感情的でヘビーな要素も大切です。シモーンの新作でモデルが抱えていた一つ目のクリーチャーにはファンタジーも感じます。どれも全部、フェミニニティーのエレメントです。

 新作ではオートクチュールのシェイプも重視しました。ゴルチエでは想像しえない透明素材で形作りました。ゴルチエとの交流を通したクリエイションは楽しかったです。

 次のシーズンから新たなチャプターが始まります。次は全く違うストーリーで、ちょっぴり薄気味悪くて、いたずらっ子のようなイメージで進めています。

 毎回、ショーが終わるとすぐに頭が切り替わります。夜中に思いついたアイデアをメモして、2週間ぐらい置いておき、生地や本を見ながらリサーチする。とても楽しい作業です。ハードワークだし、楽しくなきゃだめ。ショーは、ご飯を食べ終わった後のデザートみたいな感じなんです。

シモーン・ロシャさん

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