島精機製作所 世界的な設備投資減で大幅減収、営業赤字

2019/10/31 18:15 更新


 島精機製作所の19年4~9月連結決算は、売上高171億1800万円(前年同期比39.3%減)、27億1000万円の営業損失となった。「肌感覚ではリーマンショックを超えている」(島三博社長)という世界的な設備投資の冷え込みが影響した。来季も引き続き厳しい環境が続くと見るが、廃棄ロス削減など変化しつつあるアパレル・SPA(製造小売業)に対するソリューション提案で巻き返す。

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 上期の横編み機の販売台数は2500台と前年の4469台から大きく減少。無縫製ニット「ホールガーメント」横編み機は600台(前年同期820台)となった。背景として、バングラデシュへの欧州からのオーダー価格が下落し、現地工場が中国製横編み機を使用するケースが増加したこと。トルコでも通貨安と高金利でユーザーの資金繰りが悪化、設備投資の見送りが増えた。シューアッパー用途の価格競争の激化や米中貿易摩擦、香港のおけるデモの影響なども要因と見ており、アジア、中東地域の落ち込みが大きく響いた。

 一方で、サステイナブル(持続可能)など変化しつつある世界のアパレル産業に向け、ホールガーメントを活用したオーダーシステムなど、売れ残りを減らすための物作りに貢献できる点を強調。欧米や中国沿岸部などでの広がりに期待するほか、「横編み機以外の前工程・後工程も含めたトータルのソリューション提案をし、業態を拡大していく」として、素材から店頭までの提案にも力を入れる。研究開発費用は上期で18億円と前年同期で2億5000万円増。自社工場内の自動化、効率化などコストも削減する。



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