若者の映像コンテンツの視聴方法について注目が集まっています。「倍速視聴」やコンテンツを飛ばし飛ばし見る「スキップ視聴」、コンテンツ視聴前にある程度の内容を把握する「ネタバレ視聴」など、これまでの視聴方法から考えると驚く人も多いのかもしれません。しかし、彼らはすべての映像コンテンツに対してこのような視聴方法をとっているわけではありません。
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視聴態度にメリハリ
なぜこのような視聴方法が活用されているかというと、サブスクリプションサービスやSNSで日々膨大な量の情報やコンテンツを受け取る環境で生活しており、これまでの視聴方法ではとても追いつかないためです。
Z世代は限られた時間を有効活用するため、コンテンツの内容が自分にとってどのくらい重要かを見極め、視聴態度にメリハリをつけています。コンテンツの重要度の判断軸は様々ありますが、主に「周囲とのコミュニケーションにおいてのきっかけの作りやすさ」や「コンテンツにどのくらい没入したいか」が挙げられます。
たとえば、あまり興味はないけれど周りで話題になっている映像コンテンツは、内容をざっくり把握しておきたいので、倍速視聴をします。これはコミュニケーションにつながることがモチベーションです。「あれ見たよ」と言えることでコミュニティーの承認を得ることは世代を問いませんが、今のZ世代は「あれ見たよ」というためのコストを削減する手段を持っています。
好きなものには深く
一方で、大好きな作品については何度もじっくり視聴したり、映画館に行って作品の世界観に浸るなど、コンテンツに対して深く向き合います。自宅でこれだけ映像コンテンツが楽しめるようになった今、映画館での鑑賞は体験として重視されている実態も見られます。
視聴方法だけ聞くと、Z世代は全てを合理的に無駄なく、効率化したいのではと捉えられがちですが、実際はそうではありません。彼らは自分が価値を感じることに時間やお金を充てるために、それ以外のことは節約することで、コンテンツ過多な現代を上手にサバイブしています。