繊研新聞社が主催する16年度(第22回)繊研キッズファッション賞が決まった。百貨店部門は、ベビー向けからジュニア向けまで、世代に応じたブランドの育成と新規ブランドの投入で子供服売り場の活性化に寄与したナルミヤ・インターナショナルが特別賞を受賞した。専門店部門は「アースマジック」(リトルアンデルセン)が6年連続で大賞を受賞した。
百貨店は、大手百貨店や子供服売り上げ上位店を中心に20店と、伊勢丹三越グループと大丸松坂屋グループの2社のバイヤー、専門店は、全国の専門店70店のオーナーおよびバイヤーが推薦したブランドから選出した。各部門上位3ブランドを順位に応じてポイント化して集計し、本社が取材した情報を総合して評価した。
百貨店は、訪日外国人の消費が落ち着き、得票数が分散したため、特定ブランドの大賞を見送った。ベビー部門は、出産準備からのコンサルティングで強みを発揮する「ミキハウス」、テレビドラマで話題となった「ファミリア」が接戦、小差でミキハウスがベビー部門の1位を受賞した。また、大人のトレンド提案が強まる中で、子供らしさを大事にした「KP」がトドラー部門での支持を高めた。雑貨部門では、日本製の哺乳瓶など日常使いに役立つ育児用品への票が目立った。
専門店は、ベビーウェアを扱う店が少ない現状を反映し、今回からベビー・トドラー部門に統合した。この間、低価格帯の専門店に加え、大手セレクトショップのファミリー業態が台頭するなど、個店専門店を取り巻く環境が一段と厳しくなる中でも、幼年から小学校中学年の女児が憧れる商品を的確に企画するアースマジックは、消費者から変わらぬ支持を得ている。また、手頃な価格帯で豊富なバリエーションを強みにする「オーシャン&グラウンド」が、小物雑貨に加えてベビーウェアでも上位に入った。