春ならでは!わが社のイベント

2016/04/02 12:38 更新


《センケンコミュニティー》ユニーク新人研修、毎年恒例のお花見など

 桜も咲き、春めいてきた今日このごろ。4月といえば仕事や周囲の環境が変わる季節であり、心機一転、新しいことを始める人も多いかもしれません。ただ、何事も最初が肝心。様々なイベントでコミュニケーションを図る企業も多いですね。世間はもちろん、ファッション業界でも、そうした新しい仕事や職場、新しい出会いに向けて様々な催しが行われています。今回のセンコミでは、各社で行われる新人研修やお花見など「春ならでは」のイベントを紹介します。

 

★ファイブフォックス 1泊2日で新人社員研修と入社式
★アダストリア     ママ社員の情報交換会
★山喜&ヤマトインターナショナル 共同で新入社員研修
★三起商行            カッターボートで新人研修
★アマテラス           取引先や関係者が集いお花見

 

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★ファイブフォックス 1泊2日で新人社員研修と入社式

接客の基本、情熱を持って徹底始動

3つの笑顔を使い分ける笑顔トレーニング
3つの笑顔を使い分ける笑顔トレーニング


 1泊2日で新人社員研修と入社式を行うのはファイブフォックス。研修後は企画や営業配属の新人も全員、店頭に立って販売を経験するため、この2日間で接客の基本を「情熱をもって徹底的に指導」する。研修会場を「お店」と位置づけ、研修中は笑顔とあいさつを絶やさず班ごとに行動するのがルールで、「厳しいが温かい」社風を体感してもらう。

 初日に真っ先に行うのは、同社が日常的に大事にしている「挨拶(あいさつ)運動」と「笑顔トレーニング」だ。挨拶運動は2班1組となり、対面の形で実施。「おはようございます」「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」という基本のあいさつを、自然な笑顔ではっきりと発声できるように指導する。笑顔トレーニングでは「パフォーマンススマイル」「ウェルカムスマイル」「アイコンタクトスマイル」の三つの笑顔の使い分けを伝授し、笑顔を向けられる喜びやあいさつを交わす気持ちよさを実感してもらう。

 夜は立食パーティーの後にペンライトを使ったキャンドルサービスを実施。ペンライトの明かりだけで輪になって歌を歌い、一体感を高める。閉会式では笑顔トレーニング優秀賞やチームワーク賞などの表彰を行うほか、各班につく先輩社員の担当リーダーがメンバー全員にメッセージカードを贈呈。一人ひとりに向けた内容で、ずっと大切にとっておく社員も多いという。閉会式後は全員が自然と輪になって肩を組み、激励し合う光景が広がる。

 2日目午後に開く入社式では、前日の研修風景を編集した映像を流し、感動のフィナーレを迎える。

★アダストリア ママ社員の情報交換会

復職、子育てとの両立の不安解消

東京本社に、復帰予定のママと先輩ママ社員が集まった.jpg
東京本社に、復帰予定のママと先輩ママ社員が集まった


 アダストリアは、4月から復帰する育児休業中のママ社員のために、3月11日と18日の2回、東京の本社で情報交換会を開催した。

 同社は正社員の約8割を女性社員が占め、育児休業から復帰する社員の人数も毎年増え続けているという。今回の情報交換会は、復職や子育てとの両立に対する不安を解消してもらったり、ママ社員同士のつながりを作ってもらうことなどを目的に、初めて開催された。

 当日は、本社や店頭に復帰予定のママ社員10人が赤ちゃんを連れて参加し、先輩ママ社員たち4人と交流。会社の近況や、復帰後に使える社内制度に関する説明を受けたほか、グループディスカッションや先輩社員への質疑応答を行った。「子供が急病になってもサポートしてもらえるのか」「育児をしながらキャリアアップはできる?」「時短勤務を周囲のスタッフに理解してもらうには」「2人目を産んでも働き続けたい」など、ママ社員ならではの働き方やワークライフバランスに関する質問や意見が多く出たという。

 同社の公式キャラクター「レピ丸」のぬいぐるみを交えて記念撮影も行い、和やかな会となった。

★山喜&ヤマトインターナショナル 共同で新入社員研修

社外のつながりを持つ機会に

社外の新人と触れ合い、刺激し合える関係に
社外の新人と触れ合い、刺激し合える関係に


 シャツメーカーの山喜は、「クロコダイル」などを手がけるヤマトインターナショナルと共同で新入社員研修を実施している。両社の新入社員を交ぜて2グループに分割し、ロールプレイング形式で得点を競いながら様々な課題を達成していくもの。他社の新人と交流することで、互いに大きな刺激になっているという。

 交流により良い意味での競争意識を持たせることや、チームワークの大切さ、コミュニケーションの重要性を学ぶために11年から実施。初対面同士のグループワークで、個人の特徴をより正確に把握することも狙いだ。新入社員の減少で1社ではグループワーク等の研修実施が困難になってきたことも実施の背景の一つで、3社合同で開催することもあったという。14、15年とヤマトインターナショナルと共同で研修を実施しており、今年も開催予定だ。

 参加者は「単純に交流を持てて楽しかった、コミュニケーション、チームワークの重要性を学べた」という感想が大半だ。研修後には懇親会も実施、近況や悩みを相談し合うなど、その後のつながりを持つ社員もいるという。

 コミュニケーションの重要性、チームワークの大切さを学べるほか、「採用段階では見えない一面が見え、配属を考える上での参考となる」など、人事にとってもメリットがあるようだ。仕事をしていく上で人とのつながりは財産。社外での横のつながりが持てる貴重な機会となっている。


★三起商行 カッターボートで新人研修

社長、常務も加わり真剣勝負

誰が艇長を務めるのか、体力のある漕ぎ手が、どの位置に座るかなど、綿密な作戦が必要だ
誰が艇長を務めるのか、体力のある漕ぎ手が、どの位置に座るかなど、綿密な作戦が必要だ


 「ミキハウス」で知られる子供服の三起商行は20年前から、新人研修にカッターボートを取り入れている。福山での5泊6日の研修は、座学もあるが、大半の時間をチーム別のカッター練習に費やし、5日目には大会で競う。指導役の先輩社員と、社長や常務も加わっての真剣勝負で、多くの新人たちは手にマメを作り、掛け声や声援で声をからし、負ければ悔し涙を流す。

 カッターを取り入れる理由は、「世の中は結果が全て。勝ちにこだわってほしい」(木村皓一社長)から。社会と同じく、海に出れば助けてくれる人がいない中、チーム一丸となって戦い、体力に関係なく自分の特技や役割を見つけ、勝つための方法を考え抜くことに期待している。

 先輩社員は「この研修が原点。同期は全国各地で働いているが、共通の原体験が支えになっている」という。

 新人の多くはFA(ファッションアドバイザー)だが、接客スキルは店やセミナーで学ぶことであり、新人研修は人間教育の場と位置付けている。カッターの勝敗には、あいさつや五分前行動、チーム内外の互いの思いやりといった基本的事項が大きくかかわっていると捉え、新人は研修で、先輩社員からそれらを学んでいる。


★アマテラス 取引先や関係者が集いお花見

一緒に産地、業界盛り上げ


 テキスタイル商社のアマテラス(大阪市、本多一郎社長)の春の名物行事は花見。社内の懇親行事なら世間で珍しくないが、同社の花見はあらゆる取引先や関係者が揃う一大パーティーというのが特徴だ。

 盛り上がるのが大好きな「お祭り好きの社風」で取引先へのお返しを込めて設立間もない04年にスタートし、13年欠かさず続けてきた。

 同社の主力商品はスポーツ向けの合繊織物とあって、合繊メーカー各社のスポーツ担当や北陸産地の機屋、染工場の関係者ら毎年70~80人ほどが参加する。

 普段はライバル関係にある合繊メーカー同士も桜の下でお酒を酌み交わし、「一緒に産地や業界を盛り上げよう」と語り合う光景が見られるのはアマテラスの花見ならでは。商社という立場であらゆるメーカーと組む同社だからこそ、このような場が生まれる。

 同社にとってこの花見は、年に一度の重大イベントで、毎年、社内に〝実行委員会〟を立ち上げて入念に準備する。事務所近くにある、大阪の桜の名所の一つ、靱(うつぼ)公園を会場に、社命を負った社員が絶好の場所を求めて日中からスタンバイする。

 「毎年、開花予想をにらみながら開催日をいつにするか見極めるのが社長としての一番大事な仕事(笑)」と本多社長は語る。

写真はイメージです
※写真はイメージです


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