セレクト店、冬セール後に見えた課題

2015/02/26 11:27 更新


適時供給+端境期の実需
拡大するインバウンドへの対応

 今年の冬物セールは、セレクトショップなど中価格以上のファッションを売る専門店に、様々な課題を突きつけた。

 プロパー不振を受け、セールでの在庫消化を期待したが、思惑通りには売れず、寒さ続きで春物の動きも鈍かった。初売り目当ての外国人観光客の増大傾向にも、明確な対応策が打ち出せていない。夏に向け、セールとその前後の期間に何をどう売るか、あらためて考える必要がある。(柏木均之)

■値引きだけでは響かない

 渋谷にある大手セレクトショップの路面店で働く販売員がこう話す。「冬物の動き出しが遅かった分、年明け早々のセールで一気に実売をつかむつもりだった。だが、勢いは初日、2日目まで。売れ筋のアウターがはけたが、それ以降は盛り上がりを欠いた」。

 例年は、本セール、最終クリアランスと段階的に値引き幅を上げていくが、今冬は、残した冬物アウターをセールで売り切ろうと、段階的な値引きをやめ、一気に5割以上の値下げに踏み切る動きも目立って増えた。だが、それで思惑通り売ることの出来た店は少数派だ。

 冬セールの状況を視察したベイクルーズの杉村茂代表取締役CEO(最高経営責任者)は「どの店も、売れている商品も残っている商品も同じ。同質化の深刻さを痛感した」と言う。セールに慣れきった消費者が増え、単純に値引き率を上げても、欲しいものでなければ買わない傾向は強まる一方だ。

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