東京・清澄白河に25年春オープンした「シーユーレイター」の柴田基裕代表は、紆余(うよ)曲折を経て自分の店を持った。百貨店に入社した後、地方のストリート系のセレクトショップで経験を積み、大手カジュアル専門店チェーンで10年間働いた。小売業の厳しさも経験したが、ファッションが好きだったので、独立して起業した。
前身のショップ「ショール」は21年に西荻窪にオープンしたものの、コロナ禍だったため2年で閉鎖してECと期間限定店という形で事業を続けた。「常設の実店舗を再開したい」との思いから、清澄白河で築65年の魅力的な空間と出合った。
新店は「論理よりも情緒」がコンセプト。柴田代表は「トレンドを意識せず、感情が揺さぶられること」が買い付けの基準なので、有名無名にかかわらず自分の直感で新しいブランドの発掘に力を入れている。
象徴的なのは、空間芸術として服を提案する柴田勇紀氏にデビュー前のプレコレクションを同店で披露してもらった。今秋もアート展示とともに受注・販売会を開くなど最初の卸先として応援を続ける。「ファッション業界と異なる視点や服へのアプローチ、製作手法、特殊な仕様が刺激的だ」と柴田代表は評価する。
「小回りが利く個店の強みを生かし、一つひとつの扱いブランドを掘り下げて伝えることで、自店のファンを増やしたい」と期待を込める。
