サザビーリーグは、米ロサンゼルスのセレクトショップ「ロンハーマン」の事業を19年2月7日付で米本社から引き継いだ。サザビーリーグは、17年3月に日本でのロンハーマンの商標権を取得し、日本でのロンハーマンの商売はすでにライセンスから同社の運営に切り替わっている。今後は米国での事業も同社の現地法人を通じて行う。事業譲渡にかかる金額については公表していない。
09年に米本社と独占ライセンス契約を結び、ロンハーマンの1号店を同年8月、東京・千駄ヶ谷にオープンした。わざわざ足を運びたくなる居心地の良い店作りと大人客が楽しめる品揃えで人気を集め、これまでに12店を出した。
13年からは日本独自の業態「RHCロンハーマン」もスタートし、7店を出した。アウトレットを含め日本には21店がある。創業者のロン・ハーマン氏は親日家でもあり、日本での店舗数が本国を上回り、順調に商売が伸びていったことを好意的に受け止め、日本の新店オープンに立ち会うことも多かった。東日本大震災から日も浅い11年6月にも来日している。その際、増床した千駄ヶ谷店について「本国の店のスタイルやカルチャーを理解し、再現しており、スタッフの熱意も伝わる良い店」と評している。
ハーマン氏は、日本進出のきっかけを作り、ロンハーマン事業のゼネラルマネージャーを務めた三根弘毅氏(現サザビーリーグ取締役)との親交が深く、サザビーリーグの日本でのビジネス拡大の実績を評価していた。こうした経緯もあり、米本社は17年3月31日付で、日本でのロンハーマンの商標権をサザビーリーグに譲渡し、その後、将来にわたって日米双方の市場での事業を安定的に維持、拡大したいとの考えから、本国での事業も譲渡を決めたようだ。
サザビーリーグは今回の事業譲渡に先立ち、昨年10月にサザビーリーグ・ノースアメリカを設立していた。現地法人は資本金20万ドル。役員を三根氏が務め、本社、販売スタッフを含め約50人で構成する。76年に創業したロンハーマンは現在ロサンゼルスに3店がある。今後は米国での店舗運営やバイイングなども米本社側と現地法人のスタッフが共同で行うという。