佐藤繊維の真骨頂、セレクト店ギア

2016/09/08 06:27 更新


レストラン併設しライフスタイル型に 
地方の新しいあり方探る


 糸からニット、製品まで一貫生産する佐藤繊維が、山形県寒河江市の本社敷地内にセレクトショップ「ギア」を作って1年半が経過した。

  築約100年の石造りの建物を改装して開設したセレクトショップ「ギア」は、7月にレストラン・そば屋、グローサリーも営業を開始、衣食住全てが揃うライフスタイルショップとなった。店の作りと扱う商品にも佐藤正樹社長のこだわり「佐藤繊維にしかできな物作り」の精神が生かされている。

 繊維産業は産業革命により発明された紡績機により飛躍的に進歩した。この紡績機を支えてきたのが複雑な動きを実現するために配置された数多くのギアだった。この一つひとつが重要な役割を果たすギアが店舗名の由来になっている。

 セレクトショップのギア1(296平方㍍)は2層で「メゾン・マルジェラ」「マルニ」「アクネ・ストゥディオズ」をはじめとした世界のトップメゾンから「マメ」「カーリー」「08サーカス」など日本の新進デザイナーの商品が並ぶ。

  佐藤繊維が素材を販売しているブランドも多いという。1階には50年代に作られた幅9㍍の紡績機がディスプレーとして使われている。

  1階は定番カラー、2階はカラーの強い製品が中心に置かれている。佐藤繊維のオリジナルレディスブランドの「エム&キョウコ」も2階にある。メンズ新ブランド「991」の全製品があるのもギアだけ。

 月1回のディスプレー変更は、販売商品の構成によって売り場を大きく変えるため、来店する人に毎回異なる印象を与える。ダイレクトメールやイベントの招待状を送る顧客は、既に1000人を超えているという。地元だけでなく休日になると仙台や福島と県外から来る人も多い。

1階には紡績機を使ったディスプレーもある 1階には紡績機を使ったディスプレーもある

ギア1の2階
ギア1の2階
ギア2には内外から集められた生活用品が並ぶ
ギア2には内外から集められた生活用品が並ぶ
夜になると店舗をライトアップ
夜になると店舗をライトアップ
ディナーの前菜は寒河江市の隣にある東根市で作った木のボードに県内産の馬肉、アケビ、自家製チーズなどを使っている
ディナーの前菜は寒河江市の隣にある東根市で作った木のボードに県内産の馬肉、アケビ、自家製チーズなどを使っている

 

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