札幌パルコ ファッション「質と感度」てこ入れ

2017/05/09 06:28 更新


 札幌パルコ(地下2階~地上8階)は18年2月期、衣料品をてこ入れしながら、食を中心に衣料品以外の分野を拡大、集客イベントにも力を入れる。インバウンド(訪日外国人)対応もさらに強化する。前期の全館売上高は衣料品が苦戦したため、約137億円(前期比3.7%減)だったが、今期は140億円以上を目指す。

(有井学)

 前期は雑貨や飲食、食物販、サービスなど衣料品以外の分野の売り上げが3%増だったが、衣料品が約10%減と落ち込んだ。全館売り上げに占める衣料品比率は15年度の44%から40%に低下した。そのため、今期は「衣料品のシェアを維持するために立て直しを図りながら、消費者ニーズの変化に対応し、他分野で売り上げをさらに拡大する」(玉岡幸左右店長)。

 衣料品は1階の「ブラック・コムデギャルソン」などのデザイナーブランドや2階の「ビームスライツ」など、高感度で特徴を出したショップは健闘した。今期は比較的高単価なメンズ「CPカンパニー」を3月に5階に導入した。秋以降の改装でモード系ブランドの拡充も含め、「大人化・上質化を促進」する。ファッションで、「質と感度で札幌エリアナンバーワンを目指す」。

 衣料品以外の分野では地下2階の雑貨を主体とした物販店の区画を15年秋冬と昨年春に飲食・食物販に切り替えた。前期の食物販の売り上げは約2.6倍となった。飲食も同階に地元店を集めたフードコート「フーディーズ」を昨年4月に開設した効果で4%増となった。今後、同階を中心に「段階的に食物販店を増やす」。

玉岡店長

 ポップカルチャーの発信も強める。1月にキャラクター雑貨「キャラポップストア」を6階に入れ、3月17日にはエンターテインメントコンテンツとの協業による直営カフェ「ザ・ゲストカフェ&ダイナー」を飲食強化も兼ね導入した。イベントスペースでの催事も積極化する。

 インバウンドは1階の雑貨「バオ・バオ・イッセイ・ミヤケ」を含めたデザイナーファッション、2階のシューズ「オニツカタイガー」などが中華圏やタイなどからの個人客の需要をつかみ、前期の海外発行クレジットカードでの売上高が50%増、売り上げ構成比で11.4%に達した。タイの商業施設と連携した相互送客策の促進やクラウドソーシングを活用した同時通訳サービスの導入などで需要拡大を目指す。中国のモバイル決済サービスの導入も検討する。

3月にメンズ「CPカンパニー」を導入、高単価で上質なファッションも強化する


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