染色加工業の日本蚕毛染色(京都市、冨部純子社長)は、シルク100%でストレッチ性があり洗える糸「ゴムゴムシルク」を開発した。サテンなど生糸を使ったシルク生地へのウォッシャブル加工も本格化する。
ゴムゴムシルクは、生糸を加工することで捲縮(けんしゅく)形状を持つ。シルクのたんぱく分子を特殊な加工技術で改質したウォッシャブルシルク「セレーサカルメン」の技術を応用したもので、バネのような構造を維持し、ストレッチ性を発揮する。織物の緯糸使いや、ジャージーでの使用を見込んでおり、試作テキスタイルも開発。しぼのような独特の凹凸感がある生地に仕上がる。糸での販売を検討しており、インナーからカジュアルまで幅広い用途を見込む。2月のミラノウニカでも披露し、海外アパレルからの関心も寄せられている。
セレーサカルメンは絹紡糸が中心で、インナー用途を中心にリピーターが付いてきた。ウォッシャブルに加え、風合いや光沢を維持し、色落ちもしにくいという特徴もある。より多くの人に良さを知ってもらいたいとして、昨年からはサテンやデシン、シフォンなど生糸を使ったシルク生地への加工もスタート。昨秋から加工設備が本格稼働しており、インナーからレディス用途へと広げていく。そのほか、素材バリエーションも増やしており、シルク・ウールの混紡糸「ジャブール」や麻・シルク混なども打ち出している。5月24、25日に開かれる生地見本市プレミアム・テキスタイル・ジャパンでこれら新素材を披露する。