三共生興、通期業績予想を下方修正 「潮目が大きく変わった」

2024/11/12 06:26 更新


井ノ上社長

 三共生興は、通期の業績予想を下方修正した。売上高は220億円(前回予想230億円)、営業利益19億円(25億円)、経常利益27億円(33億円)、純利益21億円(22億円)と特に利益面を見直した。

 この間順調に売上高、利益ともに伸ばしてきたが、今上期は増収減益。「上期はまだ健闘した方で、下期はより厳しくなる」(井ノ上明社長)と見て判断した。上期健闘した製品OEM(相手先ブランドによる生産)は、「冬物、重衣料の受注が芳しくなく、来年1~3月も同じペースで推移しそう」。特に厳しく見るのは海外。「潮目が大きく変わった」というのが中国市場。今秋冬の受注は、「前年比30%の落ち込み」と厳しい。代理商を活用して「ダックス」の店舗を30店ほどまでに増やしてきたが、「スローダウンする」。

 一方で「大手ラグジュアリーの出店、拡大意欲が落ちているので良い立地を取れる機会でもある。家賃も抑えられるはず」と1店1店慎重に見極めながら中国事業を進める。「世界情勢がかなり不透明になっている」と「レオナール」の欧州での卸販売も20%ほど落ち込む見通し。また「新しいビジネスを作る」と、このほど買収したトゥエルブの欧州での販売支援や、3月に出資したユナイテッドシルクと協業してウォッシャブルシルクやコスメなどで高級ブランドへの提案を積極的に行っている。



この記事に関連する記事