《トップに聞く》伊サルヴァトーレフェラガモCEO

2017/11/11 04:29 更新


《トップに聞く》伊サルヴァトーレフェラガモCEO エラルド・ポレット氏 エネルギッシュなチーム作る レザーグッズに注力

 伊サルヴァトーレフェラガモは昨年8月、新CEO(最高経営責任者)にフルラなどで辣腕(らつわん)を振るったエラルド・ポレット氏を迎えた。新たに掲げた方針は、ブランドが持つレガシー(遺産)を大切にしながら、消費者とビジョンを共有して売り上げを伸ばすこと。目標に向かって全社でエネルギッシュに取り組むチーム作りに力を入れている。

(青木規子)

 昨年は日本も含めてグループ全体で安定した1年でした。特に16年第4四半期は、純利益が前年同期比17%成長し、2億200万 ユーロ でした。イタリアで導入された新たな税制の影響もあり、大きく改善した。引き続き今年も好調に推移しています。経済的にも政治的にも世界でさまざまな動きがありますが、これは通常起こりうること。17年は移行の年ととらえて、中期的に売り上げを伸ばすことに注力します。

 グローバル戦略は四つ。一つはレガシーを持つブランドとしてしっかり発信すること。二つ目にクリエイティブとイノベーション、クラフトマンシップに投資して素晴らしい製品作りを目指します。特に新ディレクターのポール・アンドリューが作るレディスシューズをはじめ、レザーグッズにフォーカスします。三つ目にお客様を中心に考えた店を作り、ビジョンを共有していくことも重要です。

 四つ目は、最も重要な人材です。現在、本社ではマーケティングやコミュニケーションをリードするチームを設け、ブランディングやマーチャンダイジングにおいては各カテゴリーを強化しました。4000人の従業員全員が足並みを揃えてワクワク感を共有することで、エネルギッシュなチームができると考えています。組織全体でやり遂げるというアメリカ的なマインドで進めていきたい。

 今後はデジタル化も重視していきます。ブランドとしてミレニアル世代(80年代から2000年前後に生まれた世代)とも会話ができるように、デジタルに精通したCIO(最高情報責任者)が新たに着任する予定です。

 フェラガモにとって日本市場は、新たなルネサンス期に入りました。過去10年間は非常に静かでしたが、昨年11月に銀座の旗艦店をリニューアルしたことで、消費者やチーム全体に新たなメッセージを発信することができた。新CEOやマーケティングや人事のヘッドも着任しました。

 店舗数は十分にあるので、既存店のサイズや立地、ポジショニング、レイアウト、組織などの評価をしっかり行うことが重要です。1平方メートル当たりの売り上げを伸ばすことを目標に、店舗運営をより深く改善したいと考えています。

 アジアの方々は今も日本に目を向けて、次に何が起こるのかと期待をしている。アジアにおける旗振り役として機能しなければいけません。日本の消費者はブランドや製品、品質についての理解も深い。投資をすれば響く市場だと考えています。

エラルド・ポレットCEO(サルヴァトーレフェラガモ)


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