【販売員のやりがいってこんなところ】「マーガレット・ハウエル」神南店 森脇葵さん

2023/01/10 00:00 更新


これから入社する販売員には「商品に触れて、自分の解釈でもいいからその感動を伝えてほしい」と森脇さん

 新卒でTSIホールディングスに入社し、今春7年目を迎える森脇葵さん。2度の異動を経て、22年10月から「マーガレット・ハウエル」の旗艦店である神南店に配属された。温かみのある笑顔と「友達のように話す」距離の近い接客で活躍している。やりがいは「作り手の思いを代弁できること、好きなものを通してお客様と会話ができること」と森脇さん。店頭での日々の接客に奮闘しつつ、現在は販売の楽しさを伝える新人教育にも携わる。

 入社のきっかけは、かつて池袋パルコにあった「MHL.」(池袋ルミネに移転)との出会いだった。大学生のころに偶然通りがかった際、店舗のクリーンなイメージに引かれたという。まだ学生だったこともあり、頻繁に買うことはできなかったが、「当時いた店員さんが話だけでも(自分のことを)覚えてくれた。そんな接客がしたいと思った」。

憧れの店との出会い

 森脇さんがいる「マーガレット・ハウエル」神南店は、ウィメンズ、メンズのほか、家具や雑貨を扱う。カフェも併設しており、顧客は店舗とカフェをはしごして2~3時間滞在することも。もともとファッションだけでなく、食や芸術、音楽に触れることが好きだったので、ずっと神南店で働きたいと思っていた。「プロダクトを通してお客様とお話することが楽しい」という。

 主な業務は、来店した客への声掛けと提案。セール準備や商品の入出荷など、事務的作業も案外多い。SNSは英国や日本公式のインスタグラムのアカウントがあるが、店舗ごとに細分化はしておらず、販売員が更新することはない。しかし、オンラインストアのアプリを介して届くチャットの問い合わせに応えるのは現場の仕事だ。

 様々な質問に対応できるように、都内の近隣店舗ではウィメンズとメンズの両方を揃える神南店、立川グランデュオ店、MHL.代官山店などが代表して受ける。細かい仕様を写真で送ったり、店舗での接客と同じように会話をしたり。1日に約10件以上の問い合わせが寄せられる。

 そんなリアルとオンラインの接客が交わりながら、平日は常時3人、土日は4~5人で対応する。「大変だが、『自分が選ばないものをあなたのおかげで選べた』といわれたときは、本当にうれしい。デザイナーブランドは作り手の思いが色濃く反映されているもの。それをデザイナーに代わって伝えられるのはすごくすてきなこと」と笑顔を見せる。

充実した教育環境

 そういったマインドが育まれたのは、研修をはじめとした手厚い教育サポートの存在が大きい。入社1~3年目にかけて、立ち居振る舞いや言葉使い、今後の働き方まで、年数に応じてステップアップに必要な要素を学べる研修がしっかりと用意されている。社内のロールプレイング大会向けの研修もある。接客を「感覚じゃなくロジックで読み解いていく座学や実践で学ぶことができる」。

 ロールプレイング研修は、入社2年目のスタッフが受けることになっており、森脇さんはそのオブザーバーも務めている。「こういう風にやると接客が楽しくなる」というノウハウを伝えたいと、森脇さんと数人が手を上げた。「やりたいことを受け入れてくれる環境が整っていたことがモチベーションにつながった」。自身も売れない時期を経験し、当時の店長が熱心に相談に乗ってくれて成長できたことも後押しした。

 もっとも、一日のリズムが不規則で立ち仕事のため、体力面のしんどさはある。森脇さんは「体のメンテナンスが必要」と感じ、幼少期にしていた水泳を再び始めた。難しい客と対峙したり、ネガティブになりそうなときは、「お客様にいわれた一言やこの洋服のここが可愛いなど、小さなことに感動する」ことが、森脇さん流の楽しく働き続けるコツだ。

 「自分自身に魅力があれば、お客様が自然とついてくる。新しい出会いを作れるのがこの仕事のいいところ」と話す。

ブランドを体現する店舗として、様々な商品を扱う神南店

■1日のスケジュール

10:30 出勤。前日の売り上げや1日のスケジュール確認、掃除などを行う

11:00 開店。お客様対応を優先にチャットサービスも開始する。返品、移動指示の商品の出荷、配送も

12:00 休憩(60分)

13:00 業務再開

17:00 休憩(30分)

19:00 ごみ捨て、ストック整理、翌日の引き継ぎなど

19:30 退勤

《評価ポイント》

●ライフスタイル事業ディビジョン AGL・IB事業部・Salesセクション販売グループ長 間瀬英之氏

 安心できる笑顔やお客様を元気にしてくれるポジティブマインドはもちろん、お客様への興味関心のアンテナを高く張っている部分が最大のストロングポイント。他人事を自分事として捉える力があり、それを自然にできる。お客様だけでなく、どんな相手に対してもそのスタンスは変わらない。興味関心を持って会話ができるので、自然と相手への質問も増えてくる。森脇さんと会話をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。AGL事業部が大切にしている接客、おもてなしを体現してくれている自慢のスタッフです。

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