表参道ヒルズ、16カ月連続増収

2015/03/05 06:22 更新


 森ビルが運営する表参道ヒルズが好調だ。この間の改装などで客層を広げ、訪日外国人客も取り込み13年11月から15年2月まで16カ月連続で増収を達成した。来年の開業10周年に向けて今春は6店を新規導入する。

 30~40代女性の中心顧客に加え、20代後半~40代の男性客が増加した。ファッション感度が高い大人の男女に向けたショップの集積を厚くした効果が現れた。「ジミー・チュウ」「アーバンリサーチ」「デンハム」はメンズ、レディスともに好調、「ディオール・パヒューム&ビューティブティック」や、行列が途絶えないカフェ&スイーツ「マックスブレナー・チョコレートバー」なども堅調だ。

 さらに14年6月に森ビル運営施設共通の会員カード「ヒルズカード」を新たに発行したことが寄与した。同社が運営するオフィスビルで働くビジネスマンやOLを取り込み、六本木ヒルズなど他施設との買い回りを促進。カード利用率は約50%に高まり、年間100万円以上買い上げる上顧客も10%増えた。

 訪日外国人客も増加。春節商戦(2月18~24日)の推定免税売り上げは昨年(14年1月31日~2月6日)の約2・5倍。「個人客が多く、年間を通しても昨年の2倍のペース」で、ラグジュアリーブランドのほか靴下の「タビオ」など日本ブランドも人気だ。セレクトショップ「エディション」は春節期間に「ハイク」や「サカイ」を買い求める客の9割が外国人だったという。

 今春は国内初4店を含む6店を導入する。15年春夏にスタートしたメンズ「イイザ・ローン・トーキョー」、日本初単独店のシューズ「バハラ」を既に導入。7日にはメンズ・レディス「アイデア・バイ・ソスウ」などを出す。

 来年の10周年に向け、「気軽に集える施設」(廣田智久森ビル営業本部商業施設事業部表参道ヒルズ館長)を目指す。現状は「個性が際立った店が多く、目的買いが多い」ためだ。時間消費型店舗の導入や休憩スペースの増設、吹抜け大階段を使ったイベントの頻度を高めることなどを計画している。



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