今年、56周年を迎えたジュンの基幹ブランド「ロペ」。立ち上げ時から、上質な素材使いや物作りへのこだわりを追求し続けている。ブランドは年月を重ねると、顧客とともに変化し、先細りや廃止となるケースも多い。環境が変わる中で、軸となるコンセプトは守りながら、ブランディングにチャレンジし続け、時代や世代を超えて長く支持されている。今年はさらに次のステップに向けたリブランディングを実施し、新たな挑戦に取り組んでいる。
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メンズの〝助け〟に
ジュンは1958年、現会長の佐々木忠が創業した。当時では珍しかった、赤いチェック柄のメンズスイムウェアを制作したのが始まりだ。
そして、トレンドだったアイビールックとは一線を画した、ヨーロピアンスタイルがコンセプトのメンズ「ジュンメン」を立ち上げた。男性が明るい色を着用する習慣が無かった日本で、真っ赤なニットを発売するなど、奇抜なものも多かった。「欲しい物がないなら作ろう」との起業精神を具現化するメンズアパレルだった。
創業10年目の68年、レディスのロペを立ち上げる。当時はあくまでメンズが主力で、トレンドの早いレディスを手掛けることで、「メンズの商品企画に参考になる」との考えからだった。大阪出張の時、隣にいた若い大手百貨店のデザイナーに、「レディスを試験的にやりたい」と話したのが始まりで、「手伝わせて」と話が進み、忠も一緒になってブランドを作り上げていく。