ライザップグループでブライダルリング専門店を運営するトレセンテが、5月に就任した三好秀樹社長のもと改革を行い、業績を回復させている。20年3月期上期(4~9月)の売上高は前年同期比2ケタ増、各利益段階で黒字転換を果たした。「通期黒字化も見えてきた」(三好社長)とし、下期も継続して財務基盤の安定化を図る。
今期は、「成長への土台を構築する年」とのビジョンをかかげ、ブランド認知向上、モチベーションアップ、コスト削減といったテーマのもと、各部署ごとにKPI(業績評価指標)を設定して取り組んだ。
ブランド認知、ブランディングの向上では「例えば販促なら、上期何本リリースを出すか、アプリのダウンロード数をどれだけ増やすかなど、担当自ら数値を出し、目標を定めて遂行した」(三好社長)。昨年10月にリリースしたアプリは、店頭でダウンロードを促し、5~10月では2倍になった。
販売施策はウェブサイトの見直し、テナントとして入る商業施設のショップニュースの更新、VMDの改善を実施。販売員教育の担当者も増強し、スキルと共にモチベーションの向上につながった。
この結果、客数、客単価、成約率が過去最高となり、成約率が伸びている。労働環境の改善も実施し、残業削減と有給休暇取得を促した。
組織も見直し、営業部門と商品戦略に携わる部門を分けた。8月には創業30周年を記念した新商品を発売した。
現在の店舗数は11。新店は来期以降、大都市圏で百貨店を含めた商業施設での出店を検討している。
